「飛び跳ねる思考」東田直樹
東田直樹さんの「飛び跳ねる思考」という本をお借りして、読ませていただきました。
カウンセリングでは、自閉症に関する相談もときにあります。
お子さんが自閉症で、行政サービスが手厚い地域に引っ越すかどうかとか、自閉症と子供がわかった途端、夫が家族から離れていったとか、そういったお話をお聞きしました。
皆さんは、自閉症に関してどれくらい知識がありますでしょうか?
最近では自閉スペクトラム症という言い方をされ、自閉症及びその近隣の発達障害を含む総称として言われているそうです。
自閉スペクトラムは、一人ひとり症状が違い、うつ病などの疾患よりも非常に対応の難しいものといえるでしょう。
そして、自閉症を正しく認識していないと、謝った対応や間違った解釈をしてしまう恐れがたくさんあります。
私も昔、カウンセリング中に、自閉スペクトラム症のお子さんを持つクライアントさんに「自閉症のことが理解できていない」と叱られたこともあります。
うつ病もそうですが、自閉症もれっきとした脳機能障害なんですよね。
でも、多くの人は病気である、という認識ではなく、ただ態度が悪いとか、物覚えが悪い、当たり前のことができないなど、いろんなことで相手を責めてしまったり、理解できない分だけ疲れてしまったりします。
また、自閉症はひとりひとり症状が違うため、マニュアルのようなものは存在しないわけですよ。
健常な人間同士でも、コミュニケーションがうまくできないのに、想像するだけで大変さがわかります。
でも、多くの自閉症の方は、大変なことをわかってほしいのではないんですよね。
この本を読んで、みんな自分たちと同じようにものを見て、感じて、考えているんです。
ただ、表現方法が私たちとは全く違うだけでね。
あたりまえすぎて、日常では気づかずにスルーしてしまうようなところを彼らは敏感に察知して、私たちに教えているのかもしれません。
彼らが何を見て、何を考えて、何を伝えようとするのか。
この本は、その一端を垣間見ることができる本です。
興味がある方は、一度読んでみてください。
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